第64回 講談社児童文学新人賞 選考経過報告

経過報告(2023/8/10更新)

◆第二次選考(kao)の通過者を発表!  

今年2023年で64回を迎えた児童文学新人賞に、652作品のご応募をいただきました。バラエティに富んだ、個性あふれる作品の数々をご応募くださったみなさまに、心からお礼申し上げます。

このたび、第二次選考に残った25作品をご報告いたします。どの作品も力作揃いです。8月中旬に最終候補作をこのページで発表いたします。また、今年の最終選考は、9月上旬に行います。

今年度(du)(2023年度(du))の栄(rong)冠はどの作品に輝くのか? どうぞ、ご期待ください。

『この夏を逃がすな』風祭千
『放課後ボードゲーム!』高山一葉
『ピーチとチョコレート』福木はる
『アジアなわたし』宮古一加
『木馬の背中をとびこえて ~栄光と青春のDスコア~』森長てれさ
『クモウーでお茶を』吉野日野
『あや先生のあやとり』沢崎ともみ
『おいしいオバケ』いとうじゅんこ
『ばあちゃんのおみおくり』清水温子
『カメムシマン』中川鈴野
『ふたりのマリアン』岩尾なつめ
『花一番! 長太郎ものがたり』桑原夏美
『こども居酒屋いっぷく』小山麻子
『リアン』竹下乃愛
『スズメ』伊加田景
『ぼくのシッポ』藤江洋一
『あいつを思い出せなくなっても』山下雅洋
『あの子のヘリオトロピズム』みずの瑞紀
『15歳の昆虫図鑑』村沢怜
『秘密結社セレンディピティーズ』徳永燕樹
『デュアルラン』蜂宮瑞
『王様のキャリー』まひる
『明治のマギステル』上野葵
『ことこ町とのんの雑考ノート』夏笠歩緑
『不老王と土獅子の笛』日向伊弦
(順不同)

◆最終選考(kao)の通過(guo)者を発(fa)表(biao)!

このたび、最終選考に進んだ5作をご報告いたします。
最終(zhong)選考結果は、9月上旬に発表いたします。どうぞ、ご期(qi)待(dai)ください。

『ピーチとチョコレート』福木はる
『ばあちゃんのおみおくり』清水温子
『あいつを思い出せなくなっても』山下雅洋
『15歳の昆虫図鑑』村沢怜
『王様のキャリー』まひる
(順不同)

受賞作品決定!(2023/9/7)

本(ben)年(nian)度の児(er)童文学新人賞にご応(ying)募(mu)いただいた652作(zuo)品(pin)につきまして、一次(ci)・二次(ci)選(xuan)考を経(jing)て、9月5日に行われた最終選(xuan)考会で、最終候補(bu)作(zuo)5作(zuo)品(pin)の中から慎重(zhong)な審議の結果、次(ci)のように入選(xuan)作(zuo)が決定(ding)いたしましたのでお知らせいたします。

◆新人賞(shang)
正賞 賞状・記念品 / 副賞 50万円・単行本として刊行

『王様のキャリー』
まひる 


◆佳作
正賞  賞状 / 副賞  20万円

『ピーチとチョコレート』 
福木 はる(ふくぎ はる)


『15歳の昆虫図鑑』
村沢 怜(むらさわ さとし)

審査員の先生方の選評(五十音順)

安東みきえ先生

『王様のキャリー』はeスポーツ競技を題材とした作品。ゲーム世界を入れ子構造に、障がいを持つ少年の矜持が胸に迫る。真にフェアな友情関係が何かを問うてくるこの物語を、ぜひ多くの人に読んで頂きたく本賞に推した。
『ピーチとチョコレート』は鬱屈した少女を解放する手段がラップというのに強く興味をひかれた。ただ主人公の問題をルッキズムに収束させたのは浅薄な印象を残した。
『15歳の昆虫図鑑』は登場人物たちを昆虫に見立てたオムニバス。読みやすく、読書体験の少ない子どもたちにも伝わるわかりやすさがあるものの、その分作為的で既視感が拭えなかった。
『あいつを思い出せなくなっても』は動物物語に挑戦した点は評価できるが、造形の魅力に乏しく、動物とした意味に疑問を感じた。
祖母がAIで蘇る『ばあちゃんのおみおくり』は現代性のある作品だが、死者への敬意に欠けている点(dian)と、登場する大人たちに共感できない点(dian)が評価の低さに繋がった。

如月(yue)かずさ先生

『ピーチとチョコレート』は主人公の体型についての悩みがひとり相撲のように見えてしまうのが大きな問題だと思いました。もうひとりの主役というべきリアとの交流と関係の変化も、もっと丁寧に描いたほうがよいのではないでしょうか。
『ばあちゃんのおみおくり』は、ハートフルな物語となりうる可能性を感じましたが、たびたびはさまれるコミカルな描写のせいもあって、登場人物の言動やクローンの設定が不自然で不謹慎に感じられてしまい、賞には推せませんでした。
『あいつを思い出せなくなっても』は主役の二匹のテンポのよい会話には惹かれましたが、イタチの苦悩が坊さんの説教できれいに解消するという終盤の展開は盛りあがりに欠け、もったいなかったです。説教の内容も物語とうまくかみあっていないように感じました。
『15歳の昆虫図鑑』は、手堅くまとめられた連作短編といえますが、人物設定や展開にもっと新鮮味がほしいと思いました。モチーフの昆虫と物語のつなげかたにもやや無理があるように感じます。
『王様のキャリー』はさわやかな友(you)情(qing)物語として非常(chang)に楽しく読みました。リオの王様キャラが抜群に魅力(li)的で、勝(sheng)生とのやりとりは何度(du)読んでも頬(jia)が緩みました。障がいを持つ登場人物を無闇に美化したり悲劇的に描いたりしない作者の姿勢(shi)にも好感を抱きました。

村上しいこ先生

今年も力のある作品が集まってきたように思うのだけど、もっと「心躍らせて」くれるような作品に巡り逢いたいとも思った。とても皆、礼儀正しくて、常に作者が前に立って導いてくれている窮屈さを感じていた。とは言え、賞に輝いた三作品はどれも、今、子どもたちに読んでもらいたい作品だ。
『ピーチとチョコレート』は、言葉の可能性を更に感じさせてくれた。どうせならもっと深く差別を捉えることもできたと思う。わりとおざなりに扱っている両親の細部を肉付けすれば、いいのじゃなかろうか。
『王様のキャリー』は、築百六十年の古民家に住むような私の理解を超える作品ではあったけど、とるだろうなと思っていました。納得の受賞です。
『15歳の昆虫(chong)図鑑』は、細部に「うん?」と思わせる所(suo)はあったけど、推しの作品でした。ただせっかくこれだけの「若い人」が登場するのだから、もっと、ユーモアや何気ない日(ri)常が描(miao)かれていてもいいのではないかなと思いました。  

講談社児童文学新人賞 既刊

児童(tong)文学(xue)新人賞(shang)を受賞(shang)した作品は、佳作も含めて改稿ののち、刊行(xing)中です。(左右にスライドすると他作品をご覧いただけます)

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