22歳トラック運転手「トラックめいめい」と絵本画家まるはまが語る「トラック」その奥深い世界

トラックめいめいとイラストレーター・まるはまのスペシャル対談

ライター:山口 真央

トラック運転手のトラックめいめいさん(右)と、イラストレーターのまるはまさん(左)。年の差41歳の2人が、トラックや仕事の話で盛り上がります! 写真/水野昭子(講談社写真映像部)
マニアックな車ばかりを集めた絵本『くるま! くるま! マニア! はたらくくるま だいかつやく』には、北は北極を走る車から、南はさとうきびを刈る車まで、多種多様な車が描かれています。

作者のまるはまさんは、63歳のイラストレーター(2023年現在)。テレビや週刊誌を中心に活躍し、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系列)のオカレモンやガリタ食堂のイラストも描いてきた大ベテランです。 

そんなまるはまさんが、Xでフォロワー34万人を誇るトラックめいめいさんと特別対談! まるはまさんが描いたマニアックな車のお話や、トラックめいめいさんが運転手になった動機、またSNSを使って自分を発信し続ける理由などをインタビュー!

22歳のトラックめいめいさんは、自身の日常をSNSで発信しているトラック運転手。かわいい女の子が大型トラックを運転している意外性で大バズりし、2023年夏には、乃木坂46の遠藤さくらさんが主演をつとめる『トラックガール』(フジテレビ公式ドラマFODにて配信中)でドラマ化もされました。

世代は違えど、SNSでコツコツ発信を続け成功した2人のモチベーションとは? 努力を惜しまない2人の「いま」に迫ります。

トラックめいめい「玉ねぎからパチンコ台、マンホールの蓋、鍋焼きうどん570個などいろいろ運んできました!」

イラストレーターのまるはまさん 写真/水野昭子(講談社写真映像部)
まるはま:トラックめいめいさんは、18歳からトラック運転手をしているとのことですが、いつもどんなものを運んでいるんですか。

めいめい:私が運転しているのは「ユニック車」というトラックです。貨物列車で運ばれてきたコンテナを、そのままトラックに乗せて運びます。

これまで、いろいろなものを積んできました。玉ねぎ、パチンコ台、マンホールの蓋とか……。この前はコンテナのなかに、鍋焼きうどんが570個入っていたこともありました。

まるはま:それはすごいね! ユニック車はクレーンのついているトラックですよね。

めいめい:そうです、さすが詳しいですね。まるはまさんの絵本には、ユニック車やパラトレーラー、ダンプトラックなど、たくさんのマニアックな車が描かれていて驚きました! 描いたなかで、印象に残っている車はありますか。
トラックめいめいさん(右)が手にしているのは、まるはまさんの1冊目の絵本『くるま! くるま! くるま! はたらく くるま だいしゅうごう』。まるはまさん(左)が手にしているのは2冊目の絵本『くるま! くるま! マニア! はたらく くるま だいかつやく』。 写真/水野昭子(講談社写真映像部)
まるはま:僕が出した2冊目の絵本『くるま! くるま! マニア! はたらく くるま だいかつやく』には、沖縄県南大東島の車両をいくつか描きました。これは沖縄に行った際に見た車両を描いたのですが、関東ではなかなか見られない車が多くて、楽しかったですよ。

たとえばこの「オールテレーンクレーン」という車両は、南大東島についた船から陸まで、クレーンで人を運ぶんです。
南大東島のオールテレーンクレーン。
めいめい:クレーンで人を運ぶ!? 珍しいですね。

まるはま:南大東島は船が岸壁に到着するから、桟橋をかけることができず、この方法をとっているんだって。ちなみにイラストでクレーンに乗っている赤いTシャツの人は、旅好きのうちの息子です(笑)。
ほかにも山や森から切り出された木を運ぶ「原木運搬車」や、南極を走る「大型雪上車」など、全国のいろんな車を描いてきました。
原木運搬車・大型雪上車
めいめい:まるはまさんはどうして、車のイラストを描いているのですか。

まるはま:持病とコロナ禍のコンボで外出を禁止されたとき、部屋の窓から見た道路が、車のイラストを描くのにぴったりな画角だと気づいたんです。ちょうどそのとき、同じ場所から写真を撮り続ける映画を見ていたことにも触発されて、Instagramに1日1枚、イラストをアップしました。

少しずつ、全国の車好きの人から反応してもらって、徐々にフォロワーも増えていって。いまは海外の方もフォローしてくれています。

めいめい「トラック運転手は野心のある人に向いている仕事! すべての免許を最短でとりました」

トラック運転手のトラックめいめいさん 写真/水野昭子(講談社写真映像部)
めいめい:私がSNSに投稿を始めたのは、コロナ禍で給料が減って、転職したのがきっかけです。時間に余裕ができたときに、自分の成長のために何ができるだろうと考えて、X(旧Twitter)での投稿をはじめました。

まるはま:若い女の子がトラック運転手をしているって、シンプルに興味深いもんね。そもそも、どうしてトラック運転手になろうと思ったんですか。

めいめい:もともと内気な性格で、学生時代にやっていた飲食のバイトも向いていないと感じていました。就職はファッション業界にしようとぼんやり考えていたものの、少しずつ「やりたいことよりも、自分のできることをして稼いだほうがいいのでは?」と考えるようになったんです。

そんなときに、トラック運転手という道があることを知りました。普通免許も持っていなかったけど、ひとりでできる仕事というところに魅力を感じて、運送会社に就職するため、思い切って上京したんです。

まるはま:すごい行動力だね。どんな思いが、めいめいさんの原動力になっているのかな。

めいめい:自分の認識では、本当の私はすごい明るいんです。なのに人前にでると、恥ずかしさから自分を表に出せないことが、ずっとコンプレックスだった。トラック運転手になったことも、Xで発信し続けていることも、自分をもっと成長させたいという思いで行動しています。

まるはま:若いのに偉いなあ。努力するのはいいことですよ。僕も1日1枚、車の絵を描いていたら、知り合いの編集者の目にとまって絵本になったからね。
仲良くお話をするトラック運転手のトラックめいめいさん(右)とイラストレーターのまるはまさん(左)  写真/水野昭子(講談社写真映像部)
めいめい:トラック運転手は、免許や資格をとると運転できるものが増えるから、野心のある人に向いているんです。私はすべての免許を最短でとってきました。

普通免許と同時に準中型免許をとって、そのあとフォークリフトの免許をとり、20歳のときに中型免許と牽引免許、21歳で大型免許をとっています。22歳で転職したあとは、ユニック車を運転するために小型移動式クレーンの資格と、クレーンでの業務に必要な玉かけ免許をとりました。いまは高圧ガス移動監視者という国家資格の勉強をしていて、年末に試験を控えています。

まるはま:本当に真面目なんだね! Xでの活躍だけじゃなく、ドラマ化されて有名人になったけど、これからはどんな活動をしていく予定ですか。

めいめい:私の根幹はトラック運転手なので、トラック運転手を続けていきたいです。ほとんどの会社が免許の費用を自腹で出さなくてはいけないし、ドライバー不足が問題になっていますが、わずらわしい人間関係がなくマイペースに働けるから、魅力的な仕事だと思います。

子どもたちにも、ドライバーの仕事に興味を持ってもらいたい! 物流に興味をもってもらえそうな取材や企画には、どんどん協力したいです。

まるはま:芯を持っていて素敵です。僕はこれからも、全国の車の絵を描いてみんなを喜ばせたい。まさか60歳を超えて、こんなに友達が増えると思っていなかったからね。お互い、SNSの更新をがんばりましょう!

めいめい:はい! まるはまさんの描く、マニアックな車のイラストを楽しみにしています!
まるはまさんがめいめいさんのために手作りしたルービックキューブ。1面には、めいめいさんのいつも運転している緑色のトラックが描かれています 写真/水野昭子(講談社写真映像部)
まるはま

1960年千葉県生まれ。イラストレーター&漫画家。千葉県出身。武蔵野美術大学造形学部芸能デザイン学科卒。

イラストレーターとして、フジテレビ『めちゃ×2イケてるッ!』で番組中に使用されるイラストを担当。対象物をデフォルメした愛らしく、ウィットにとみながらもどこか憎めない絵を得意とする。

1991年から2000年まで北海道新聞にて4コマ漫画『気ままにアニマル』を連載し、2001年より『どきどき動物学園』を北海道新聞および熊本日日新聞両紙にて長期連載中。その他、雑誌を中心に活躍している。
トラックめいめい

2000年北海道生まれ。一般の運送会社に勤務するトラック運転手。

勤務中・プライベートともにひとりで過ごす時間が長いため、勤務後に1人でビールを飲む写真をX(旧Twitter)に上げたことから「若い潑剌な女性トラックドライバー」というレアなポジションを珍しがられ、現在のフォロワーは34万6000人(2023年12月2日現在)に達している。
くるま! くるま! くるま! はたらく くるま だいしゅうごう
イラスト・原案・作 まるはま
発売日:2022/9/12
定価:本体1500円(税別)
くるま! くるま! マニア! はたらく くるま だいかつやく
イラスト・原案・作 まるはま
発売日:2023/8/31
定価:1500円(税別)
絵本『くるま!くるま!くるま! はたらく くるま だいしゅうごう』がパワーアップ! より珍しくて、激レアな車両が全国から集まりました。日々の暮らしはこんなたくさんの「はたらくくるま」に支えられていたんだと、親子で学べる1冊です。
写真/水野昭子(講談社写真映像部)
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